成人式は、大人になることをお祝いする式典であると同時に、懐かしいお友達や同級生と再会できる喜ばしい場でもあります。一生に一度の大切な晴れの日だからこそ、当日はどのような服装で参加するべきなのか、服装のマナーや成人式当日の注意点が気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では下記のような成人式の服装に関するさまざまな疑問についてまとめていきます。
- 「成人式は絶対に振袖で参加しないといけないの?」
- 「どの服装にどんな髪型を合わせればいいの?」
- 「スーツで参加するなら何色が正解なの?」
また、服装だけではなく、所作や立ち振る舞い、ヘアスタイルの注意点なども紹介しますので、どのような服装で参加するか迷ったときは参考にしてみてください。
目次
成人式は袴や振袖で参加する女性が多い
結論から先にまとめると、自治体によって事前に服装を指定されていない限り、成人式の服装にはっきりとした決まりはありません。
新成人をお祝いする公共の場の式典にふさわしい清潔感のある服装であれば、袴や振袖であっても、スーツであってもかまわないという見方が一般的といえるでしょう。
ただし実際のところ、成人式には袴や振袖を着て参加する女性も多いです。
ビジネスパーソン向けファッションブランド「THE SUIT COMPANY」が行った2013年の新成人に対する実態調査によると、およそ9割の女性が「羽織袴または着物などの和装」で参加することが分かっています。
(出典:新成人の実態調査)
そもそも、古くから振袖は日本の未婚女性の正装のひとつと考えられてきた背景もあるため、品があり、なおかつ華やかなデザインの振袖に袴を合わせる服装は、お祝いの式典にふさわしい礼服といえるでしょう。
成人式に振袖を着ていく際の注意点とマナー
成人式に着ていく服装は、公共の場にふさわしい清潔感のある礼服であれば厳格な制限はありません。
そのかわり、会場に到着する前の移動時などであっても、成人としてふさわしい所作や立ち振る舞い、マナーなどが求められます。
袴や振袖を普段着として着用する方は、それほど多くはありません。ふだん着慣れない和装を着ることで、知らず知らずのうちに基本的なTPOを破ってしまうこともあるので、注意が必要になるでしょう。
ここでは、成人式に振袖や袴を着ていく際の注意点や、意識するとさらに美しく和装を着こなせるマナーを紹介します。
歩幅を小さくする
振袖で歩くときは、できるだけ歩幅を小さくして、着物が乱れないよう気を付けることがとても重要です。
歩く際に長襦袢は長襦袢や振袖の内側が見えてしまう、裾を引きずってしまうなどの歩き方にならないよう注意しましょう。
具体的には、足を少しだけ内股気味にすることで、振袖の裾が広がりづらくなり、綺麗に流れるような美しい歩き方となります。
また、階段を上り下りする際は片手で袖を持ち上げ、もう片方の手で裾を軽く持ち上げることで、所作の品がよくなるだけではなく、移動時に振袖や裾を汚しにくくなるのでおすすめです。
さらに、階段の使用時に裾に足を引っかけてしまうと、転倒して大ケガをしてしまう恐れもあります。マナーだけではなく、自分の身を守る意味でも、歩幅を小さくすることや移動時に裾を持ち上げることは重要といえるでしょう。
自動車の乗り降りや座席への座り方に注意する
成人式の会場まで、ご家族やお友達の自動車で送迎をしてもらう方もいるでしょう。その際に注意しておきたいのが、振袖や袴を着ている際の自動車の乗り降りです。
具体的には、自動車に乗る際にまず座席に対して横向きに腰かけ、次に身体の向きを90度変えながら両足を自動車に乗せるのがおすすめです。
洋服を着ているときのように頭や足から先に自動車に乗せると裾などが引っかかってしまいやすいです。さらに、シートに深く腰掛けて座ってしまうと帯が崩れやすいので、移動中であっても注意が必要になるでしょう。
自動車から降りる際も同様に、両足から先に外へ出して、最後に腰を上げる形で降りると着物を崩さず降りやすいです。
また、式の最中、会場の椅子に座っているときであっても、自動車の座席の場合と同様に深く腰かけないようにしましょう。背筋を伸ばして浅く腰かけると、帯を潰しにくいだけではなくシルエット全体が美しくなるためおすすめです。
腕を上げるときは袖下を手でおさえる
成人式の会場まで電車、地下鉄、バスなど手すりや吊り革のある公共交通機関を利用する場合は、できるだけ着物の中や腕が見えてしまわないよう、袖下をもう片方の腕で押さえられるとよいでしょう。
振袖を着る際は、基本的に腕や肘、脚などが露出しないよう振る舞えるとベストです。
高い位置の荷物などを取るときであっても、できるだけ袖下を押さえた状態で腕を伸ばすと、周りから見える素肌の範囲を少なくできるため、上品な所作になります。
振袖や袴に合わせるおすすめの髪型の例
成人式に振袖や袴を着るときは、着物の雰囲気に合った髪型を選ぶこともおすすめです。
式典の場にふさわしい清潔感をキープしつつ、上品で華やかなヘアスタイルを取り入れることで、袴や振袖の魅力をさらに引き立たせることができるでしょう。
ここでは、袴や振袖などの和装を式典に着ていく際におすすめの髪型をいくつか紹介します。
ふんわりカールのアップスタイル
華やかな花や、美しい白鳥などが取り入れられた古典柄の振袖・袴と合わせる場合におすすめなのが、ロングヘアをふんわりとしたお団子風にまとめるアップスタイルです。
スーツと合わせるようなきっちりとまとめるお団子ヘアも魅力的ですが、程よく「今っぽさ」を取り入れたい場合は、毛先を柔らかく巻くカール状のアップスタイルにすることで、清潔感や気品がありながらかわいらしさも引き立たせることができるでしょう。
特に、ピンクや黄色などを使った明るくキュートな振袖スタイルとの相性がよいでしょう。
ポニーテールやお下げスタイル
カールヘアをポニーテール風にまとめるスタイルや、ゆるく三つ編みにしたお下げスタイルも、新成人の女性に人気の髪型です。
元々、袴は古くから髪を下ろした状態でも着用されてきた和装です。そのためお下げスタイルと合わせることで、レトロな和モダンの雰囲気を引き立たせることができるでしょう。
華やかさを取り入れたい場合は、ポニーテールや三つ編みの結び目部分に、花やかんざしといった小物を取り入れるのがおすすめです。
ショートヘアにはカチューシャやヘアピンを合わせるのもおすすめ
ショートヘアやボブスタイルの方や、アップスタイルやポニーテールのようなヘアアレンジのための髪の長さが足りない方であれば、カチューシャやヘアピンを着けてアレンジするのがおすすめです。
たとえ結ぶほど髪が長くないという方であっても、花を模した装飾の付いたカチューシャやヘアピンなどを付けると、振袖や袴によく合う華やかなヘアアレンジを楽しむことができます。
女性の振袖・袴以外の成人式の服装とは?
成人式に出席する女性は振袖、袴、着物といった和装を着ることが多いですが、それ以外の服装で式に参加する女性も少なくありません。
ここでは、和装以外で成人式に参加する女性がどのような服装で出席しているのかを簡単にまとめていきます。
スーツ
大学の入学式に着用したスーツや、仕事や就職活動などで使用しているスーツを着用して式に参加する女性も少なくありません。
着付けに時間を取られることがなく、移動時なども洋服感覚で手軽に動くことができるため、フォーマルなイメージを引き立たせやすいポイントが人気といわれています。
フォーマルワンピース
「洋服で成人式に参加したいけど、清潔感を持たせつつ華やかな衣裳を選びたい」という方の中には、結婚式などお祝いの席で着用されるフォーマルなワンピースを着用して成人式に出席する方もいます。
成人式が終わった後のお友達や同級生同士での二次会や食事会等がある場合にも、参加しやすい服装に着替えずそのまま遊びに行きやすいというメリットもあるでしょう。
男性の成人式の服装とは
ここまで、女性が成人式に参加するときの服装についてまとめました。
では、男性が成人式に参加する際はどのような服装で参加し、カラーやデザインなどはどのようなものが選ばれているのでしょうか。
以下では、成人式に参加する男性の礼装として最もメジャーな、スーツと紋付袴のふたつについてまとめていきます。
スーツ
新成人としてふさわしい、清潔感のあるフォーマルな礼装として最も選ばれやすいのがスーツです。
特にジャケットにベストが付いたスリーピースと呼ばれるスーツであれば、ジャケットを脱いだ状態でもラフな格好になり過ぎないため、正装感や清潔感をキープすることができます。
成人式に着用するスーツはネイビーやブラック、グレーといった落ち着いた色を選ぶ方が多いですが、成人式では色柄の入ったネクタイやシャツも着用しやすいです。
それらを活用して清潔感を損なわない程度のお洒落を楽しめるスーツスタイルで参加する方もいるでしょう。
紋付袴
女性と同じく、男性も成人式に袴を着て参加する方は少なくありません。
成人式で男性に着られることが多いのは、紋が入った羽織を合わせて着用する紋付袴と呼ばれる袴です。紋付袴はズボンのように履くことができるため、足さばきがよく、移動がしやすいという特徴があります。
ただし、男性が成人式に袴を着る場合であっても、座席に座る際は女性と同様に浅めに腰かけて、背筋を伸ばして座るのがマナー的には望ましいでしょう。階段を上り下りする際に裾に足を引っかけて転倒しないよう注意することも大切です。
袴や振袖で成人式に参加するときの注意点
成人式に袴や振袖で参加する場合、他の服装で参加するときよりも気を付けておきたいことがいくつかあります。
具体的には、衣裳の汚れや着崩れ、転倒によるケガなどを事前に防ぐために、以下の注意点を確認しておく必要があるでしょう。
- 当日の天気をチェックする
- 袴や着物で移動する際は着崩れに注意する
ここでは、ふたつの注意点についてさらにくわしく解説していきます。
当日の天気をチェックする
成人式は基本的に雨天決行のため、当日に雨や雪などが降るようであれば、衣裳を汚さないよう工夫ができるとベストでしょう。
たとえば、「袴であればやや短めに着付けて裾が地面に付かないようにする」、「雨や雪で足袋が濡れてしまうリスクがある草履ではなく、防水性に優れたブーツを履いていく」などは有効な対策となります。
また、成人式は「成人の日」がある1月に開催される自治体が多く、お住まいの都道府県や地域によって、気温が低いために袴や振袖だけではとても寒いというケースも珍しくありません。
そのため、振袖の上から羽織ることができる大きめのサイズのコートやダウンジャケットなどを持参するのもおすすめです。雨や雪に加えて風が強く、足元が濡れてしまいやすい場合は、さらに全身を覆いやすいレインコートを着るのもよいでしょう。
着物で移動する際の着崩れに注意する
袴や振袖で成人式に参加する際は、着崩れが起こらないよう立ち振る舞いや歩き方を意識することが必要です。
椅子に着席するときは、振袖部分を軽く持ち、お尻で袖の部分を踏まないようにします。また、階段を使って移動するときは、裾を踏みつけてしまわないよう、袴や振袖を軽く持ち、足元をよく確認しながら慎重に移動しましょう。
さらにもうひとつ気を付けておきたいのが、成人式が終わった後です。
袴や振袖の着付け時に帯の締め方が甘かったり、アンダーバストの補正が足りなかったりすると、衣裳を着ているうちに帯が下がってしまう、胸元がはだけて長襦袢が見えてしまうなどのリスクがあります。
帯を直すときは、帯の下から手を入れ、持ち上げた後にその上から引っ張るのがポイントです。むやみに着物を上に引っ張り上げるとさらに着崩れしてしまいやすいので注意しましょう。
衿の開きを直すときのポイント
帯による着崩れではなく、衿の開きによる着崩れを直したいということもあるでしょう。
その場合、下前の衿を下に引き、胸紐に再び挟み込むように直すのがポイントです。両方の衿を斜め下に向けて引っ張ることで、胸元のゆるみや着崩れが整いやすくなります。
洋服のように衿同士を合わせる形で引っ張ってしまうと、かえって振袖や着物全体が着崩れしてしまいやすいので注意しましょう。
まとめ
成人式の服装は、新成人としてふさわしい清潔感のある正装であれば、基本的に制限はありません。しかし割合的には、女性であれば袴・振袖といった和装、男性であればスーツもしくは紋付き袴を選ぶ方が多いでしょう。
しかし、成人式という晴れの日にふさわしい正装をするためには、自分にぴったりのサイズとお気に入りのデザインを選ぶことが重要です。可能であれば事前にカタログの確認や衣裳の試着を行い、その衣裳が気に入るかどうか確認しておけるとベストでしょう。
袴レンタルのマイムでは、袴や振袖などをカタログでご確認いただけるだけではなく、式典会場の近くで着付けやヘアアレンジなどが行えるサポート体制をご用意しております。決めた振袖の帯や刺繍衿などを自分好みにコーディネートしていくこともできるため、自分らしい1着を探しやすいです。
巾着・バッグなどの和装小物もセットでレンタルを取り扱っているため、成人式に着ていく袴や振袖を選ぶときはぜひ検討してみてください。