ほとんどの大学で、3月中旬〜下旬に卒業式がおこなわれます。卒業式に卒業袴を着たい方は、いつから準備すればいいのか気になりますね。卒業式は一生思い出に残る特別な1日なので、お気に入りの衣裳で過ごせるように、予約のピーク時期を把握しておきましょう。
この記事では大学の卒業袴はいつ頃から準備すればいいか、選び方やマナーまで合わせて解説します。
卒業袴はいつ頃予約すればいい?
ひと昔前までは、卒業袴の予約のピークは8月末頃から増え始め、9〜10月にピークを迎えていました。
しかし、ここ数年は需要の変化・学生生活の変化により予約のピークも変化し、今では『6月~7月が予約の第一次ピーク』、『9~10月が予約の第二次ピーク』となっています。
ここで「なぜ、ピークの時期が変化したのか」を簡単に説明すると、大学4年生にもなると前期授業(第1Q・2Q)に比べると後期授業(第3Q・4Q)は少なくなり、登校数も減ることから、多くの学内で実施している卒業袴試着・予約会に参加する学生が前期開催に集中し、前期である6月~7月の時期がピークとなっています。
また、学生数の多い大学が特にその傾向があるため、前期の内に予約が殺到し、第二次ピークにあたる9月~10月にはすでに予約がいっぱいになり、人気の衣裳は借りることができない状況も発生しています。
ここで、本題である「いつから予約ができるのか」については、多くの企業が『基本的に卒業年度の4月から』予約を受け付けるようになります。
さすがに4月は「早すぎる!」と思う方は、第一次ピークの少し前『5月~6月』に予約をすれば、すべての衣裳からあなたの好きな衣裳を自由に選ぶことができますので、周りの人よりちょっとだけ先に行動することをおすすめします!
卒業袴を選ぶ前に
卒業袴レンタルは、着物や袴を選ぶことに夢中になりがちですが、実は卒業式当日になって困ることや準備で大変な思いをすることが多くあります。
例をあげると、
卒業式当日トラブルで多くある事例として
『着崩れしてしまっても、自分では直せない』
『苦しくなってもゆるめられない』
『着慣れていないので、荷物を持っての移動が大変』
『終わった後に着替える場所がない(自分で脱げない)』
と、いった事例があります。
また、準備の段階では
『着付けをしてくれるところが見つからない』
『上手に着付けしてくれるところがどこか判断できない』
『早朝から対応している美容室が見つからない(時間が空いてない)』
と、いった内容が多くあり、実は衣裳選びの前に『レンタル内容に支度は含まれているのか』などのサービス面や『支度をする場所は近くて便利なのか』などの利便性も事前に調べておく必要があります。
卒業式は、一生に一度の大切な一日なので、衣裳を選ぶ前に『サービス面・利便性』をしっかりと下調べしてから予約することをおすすめします。
卒業袴はどのように選ぶ?
袴は普段あまり着ることがありませんので、どのように選んだらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。実際にカタログを見ると、どれも素敵に見えて選ぶのが難しいかもしれませんね。
卒業袴は着物とコーディネートするため、まずは着物を先に決めます。着物は色や柄が豊富なので、好きな色やなりたいイメージを考えて選びましょう。それから着物に合う袴を選ぶとスムーズです。まずはカタログやWEBサイトなどを見て、着てみたい卒業袴のイメージをある程度絞り込んでから、店頭や展示会に行ってみましょう。レンタルの卒業袴を多く取り扱っている当社のWEB サイトでも衣裳を見ることができます。あわせてご覧いただくとイメージがしやすいでしょう。
また、事前にWEBサイトで予約する場合も、店舗に行って一度試着することをおすすめします。実際に試着をすると思ったイメージと違う場合があるため、時間のある時に店舗で試着をし、スマホなどで写真を撮ってみると写り具合などがわかるのでおすすめです。
着物の選び方
着物の色や柄は豊富なので、気に入ったものの中から1つに絞るのは難しいかもしれません。着物選びは次のことをポイントにして選びましょう。
着物の選び方① 着物の種類を選ぶ
袴に合わせる着物は「二尺袖」が主流です。二尺袖は「小振袖」とも呼ばれ、袖丈が76cm前後の着物です。成人式に着る中振袖より袖丈が短いため、動きやすくかわいらしい印象を与えるでしょう。ただし、袴に合わせる着物に決まりはありません。成人式用に購入した中振袖と袴をコーディネートすることも可能です。
着物の選び方② 好きな色を選ぶ
着物の色は暖色系から寒色系までさまざまな色から選べます。はっきりした濃い色も、淡いパステルカラーもありますので、自分の好きな色から選べば満足度が高いでしょう。また、柄も古典系の柄からポップな柄まで揃っています。学生最後の日となる特別な1日に着る着物は、自分の好きな色・柄を選んではいかがでしょうか。
着物の選び方③ 色のイメージから選ぶ
色にはそれぞれ人に与えるイメージがあります。自分のなりたいイメージから着物の色を選ぶという方法もあります。
色による主なイメージには、次のようなものがあります。
- 赤…情熱的、アクティブ
- ピンク…かわいい、女性的
- オレンジ…フレッシュ、ポジティブ
- 黄色…元気、明るい
- 緑…穏やか、ナチュラル
- 青…誠実、爽やか
- 紫…上品、高貴な
- 白…清楚、純粋
着物の選び方④ 顔映りがいい色を選ぶ
肌の色によって似合う色は異なりますが、基本的にご使用のファンデーションの色をベースに似合う色の着物を選ぶことで、より美しく着こなせるでしょう。
- ピンク系の方…どのような色でも似合いますが、淡いピンクやブルーなどのパステル系がよく似合います。
- オークル系の方…どのような色の着物も似合うので、自分自身の好きな色を試してみるいいでしょう。
- ベージュ系の方…大きな柄や濃い色合いの着物が似合います。
着物の選び方⑤ 写真映えする柄を選ぶ
大きな柄や全体的に柄が入っている着物・多くの色を使った着物を選ぶと顔周りの印象が明るくなります。卒業式当日に友達と撮影する写真は上半身しか写らないことも多いため、色や柄を選ぶ時の参考にすると写真映えするでしょう。
袴の選び方
着物が決まったら、次は組み合わせる袴を選びましょう。袴を選ぶときのポイントは次の2つです。
袴の選び方① 色の組み合わせで選ぶ
色の組み合わせ方には「同系色」と「補色(反対色)」があります。色相を環状に配置した色相環を見たことがある人もいらっしゃるでしょうが、色相環で隣り合う色や、近い色を「同系色」といいます。たとえばピンクと赤、黄緑と緑などです。同系色は調和するので、まとまりがあって上品な印象を与えます。色選びに迷った場合は、同系色にするとよいでしょう。
一方、色相環で向かい合った色は「補色」といい、正反対の色です。たとえば赤は緑、紫は黄色が補色です。同系色よりもインパクトがあり、お互いを際立たせる効果があります。個性的で他の人と被りにくい組み合わせにしたい方は、袴の色を着物の色の補色から選んでみてはいかがでしょうか。
袴の選び方② 柄で選ぶ
袴の柄を選ぶときは、着物の柄とのバランスを考えましょう。大柄の着物には、単色の袴を選ぶと全身のバランスがとれます。無地の袴はどのような着物とも合い、着物の柄を引き立てます。一方、小さな柄の着物を選んだ場合は、刺繍が入った袴やぼかし袴を選ぶと華やかな印象になるでしょう。ぼかし袴とは、グラデーションの入った袴のことです。濃い色から淡い色になっていくぼかし袴は、背が低い人にとってスタイルをよく見せてくれる効果もあります。
履物の選び方
最後に着物と袴のバランスを確認して、履物を選びましょう。履物は、草履とブーツの2択です。
草履の特徴
草履はフォーマルな印象を与えます。上品なイメージでまとめたいときは草履を選ぶのがよいでしょう。また、袖丈の長い中振袖を選んだときも草履の方が似合います。巾着袋や髪飾りなどの小物と色を合わせると統一感が出て素敵です。
草履は着脱しやすいというメリットがありますが、履き慣れていない人にとっては鼻緒ずれを起こしやすいことや天気が悪い時には足元が濡れやすいという点がデメリットです。歩く距離が長い場合は、足が疲れるかもしれません。
ブーツの特徴
ブーツはヒールがあるため、背の低い人にはスタイルアップの効果があります。着物姿でブーツを履けるのも袴姿の特徴です。ハイカラさん風の着こなしをしたい方は、ブーツを選ぶとよいでしょう。歩きやすさも魅力で悪天候でも困りません。また、卒業式シーズンは肌寒いため、ブーツを履いておけば足元の防寒効果もあります。
卒業式で袴を着るときのマナー
袴は普段着慣れないので、マナーを知らない方も多いのではないでしょうか。卒業式で袴を美しく着こなすために、立ち居振る舞いについて学んでおきましょう。
座るとき
卒業式は座る時間が長いため、座るときのマナーを覚えておきましょう。椅子に座るときは、袴の両脇の隙間から手を入れ、少し持ち上げて後ろに余裕を持たせると、布地が引っ張られないので着崩れ防止になります。浅く腰掛け、背筋を伸ばして座りましょう。また、袖が長い振袖の場合は、膝の上にたたんでおくと汚れません。
歩くとき
袴は着物に比べると動きやすいですが、普段より歩幅を小さめにして背筋を伸ばして歩くように意識すると上品な印象になります。草履を履いているときは、少し内股で歩くようにしておきましょう。
階段の上り下り
階段を上り下りするときは、裾を踏まないように注意しておきましょう。裾を踏むと着崩れの原因になります。階段を上るときは、袴の両脇から手を入れて、前側を浮かしてから上りましょう。また、階段を下るときは、袴の両側から手を入れて、後ろ側を浮かしてください。
車に乗るとき
袴は裾が長いので、車に乗るときに引っ張ってしまうと着崩れの原因になります。まずは荷物を置き、袴の裾を持ち上げて、お尻からゆっくりと椅子に座ります。両袖を膝の上に乗せ、お尻を回して足を最後に乗せます。車から降りるときは、お尻を回して足から降ろし、ゆっくりと腰を上げます。袖や裾をドアに挟まないように注意しておきましょう。
手を上げるとき
振袖は洋服のように袖口が細くなっていないため、手を上げると腕が出てしまうことがあります。着物を着るときに肘あたりまで見えてしまうのはマナー違反なので、反対の手で袖口を軽く押さえておきましょう。電車でつり革につかまるときや、携帯電話をかけるとき、手を振るときなどは要注意です。また、卒業式の後の食事会で乾杯する機会があるときも、反対の手で袖を押さえると美しい所作に見えます。
物を拾うとき
物を落としてしまったときは、袖が地面につかないように片手に揃えて持ち、袴を押さえて腰を落とします。体を少し斜めにして拾うときれいです。
トイレに行くとき
袴姿でのトイレが心配という方も少なくないでしょう。しかし、女性用の袴は行灯袴(あんどんはかま)というスカートと同じような構造なので、ロングスカートの要領でトイレをすませられます。ただし、袴は袖や裾が長いため、汚さないように注意が必要です。和式トイレでは汚れてしまうかもしれないので、洋式トイレを選びましょう。
まずは、両袖を帯と袴の間に挟みます。それから袴の正面の裾を上に持ち上げて帯の中に入れましょう。袴の後ろ側も前に持ってきて帯の中に入れてください。着物、長襦袢、肌着は順番に一枚ずつ持ち上げましょう。全部同時に持ち上げると着崩れの原因になるため、丁寧におこなってください。
トイレが済んだら逆の順番で一枚ずつ戻してください。裾と袖を戻したら、着崩れていないか全身をチェックしておきましょう。手を洗うときは、袖口が濡れないように注意してください。
まとめ
卒業袴の選び方や袴を着たときのマナーについて解説いたしました。着物や袴の選び方にはさまざまなポイントがありますが、気に入った卒業袴を選ぶためにもっとも大切なのは、早めに準備を始めて予約することです。ピーク前であれば、豊富な色・柄から一番似合う袴を選べるでしょう。
大学を卒業すれば、卒業袴を着る機会はありません。早めに準備をはじめて自分にぴったりの袴を選び、思い出に残る素敵な卒業式にしましょう。
卒業袴のレンタルはマイム | 学校試着予約会・提携校は全国300校以上!